旅にある日々

異国での生活と、日々の旅。バンコクに9年、ニューデリー3年。今は、12年ぶりに日本。

秋の味覚

妻が、日本で買ってきた「作ろう! きのこの山」を作り始めた。

溶かして、型に入れて。

クラッカーの部分を刺して半時間ほど冷蔵庫。

できた。

横目で見ながら、僕は栗をぬるま湯につける。今日は栗ご飯にするのだ。

この自作きのこの山、妻は相当気に入ったようだ。

今後バンコクや日本へ行く際の、家族に渡すお土産類を集めておく一角に「弟たち用」として彼女はもう一箱これを確保していたのだが、「うん、作るのに手間かかるから、これは弟の趣味に合わんわ」と言い出した。

何、自分がそれを食べてしまおうという見事な理屈である。

僕も妹を一人持つ身として、自己の利益のために働かせる長子としての知恵については、共感できるものがある。