妻が、日本で買ってきた「作ろう! きのこの山」を作り始めた。
横目で見ながら、僕は栗をぬるま湯につける。今日は栗ご飯にするのだ。
この自作きのこの山、妻は相当気に入ったようだ。
今後バンコクや日本へ行く際の、家族に渡すお土産類を集めておく一角に「弟たち用」として彼女はもう一箱これを確保していたのだが、「うん、作るのに手間かかるから、これは弟の趣味に合わんわ」と言い出した。
何、自分がそれを食べてしまおうという見事な理屈である。
僕も妹を一人持つ身として、自己の利益のために働かせる長子としての知恵については、共感できるものがある。