部屋に戻るとチョコレートケーキが。
「おめでとう」とあるケーキには手書きのメッセージカードが添えられている。Dear Mrs. and Mr.につなげて書かれていたのは、僕の名でも妻の名でもなく、あるいは双方の名字でもなく、なんと、まあ、父の名が。言うなれば「太郎ご夫妻」というような、ちょっと違和感のあるものであり、姓名の取り違えはある程度しょうがないとしても、なぜに父の名が。
もちろん、両親が泊まっているのは別の部屋である。ちなみにだが、予約も個別に二つ入れている。
宿泊当日は僕らの結婚記念日なので、何かお願いできませんか、と事前にホテルに連絡した際に、「ではお花とケーキをご用意いたします」と言われていた。妻には敢えて黙っていたので、サプライズになるかと期待してチェックインしたのが、何もなし。まあ、インドだし、こんなもんか、と諦観。
た、夕食から戻ってケーキ。言っていたことの半分は達成。ただし、名前の間違いが、わけがわからない。どうしようもなくインドである。