旅にある日々

異国での生活と、日々の旅。バンコクに9年、ニューデリー3年。今は、12年ぶりに日本。

アソラ・バッティ・ワイルドライフ・サンクチュアリ

久しぶりに自転車。妻の妊娠が分かって以来、泊まりで出かけることはしていないので、暑い時期だがメンバーに声をかけてアソラへ。日曜の朝7時集合。

今年は雨季が一月以上遅れている。雨は降らないが、それでも蒸し暑い。集合場所に着いて車から降りると、もう、ちょっとしたサウナのようだ。










この後、またパンクした人がいて修理の間止まって待っていた。さあ、出発となった。が、5分も走らない内に、あまりに狭い棘だらけの小道に入ってしまい、道を間違えたことに気付く。同時に、前を走る人たちの気配もなく、迷ったことも知る。

そして自分のタイヤもパンク。スライム入りのチューブなので、いつも通り、空気を入れてぐるぐる回せば回復するかと思ったが、なんと空気入れが不調。携帯を取り出すと圏外。とりあえず先行のメンバーにSMSを打って、迷ったことを伝えようとする。電波が通じた瞬間にメッセージが飛ぶことを期待して。

相当焦る。

少し戻って、轍が何本も走っているところを見つけ、少なくともここは皆が通った道であることが分かった。不必要に迷わないためにも、ここから動かないことにする。

水はあと500ml程は残っている。

10mくらいの高さの砂の小山があるので、上ってみて辺りを見渡す。人の気配、無し。心臓が鼓動を早める。ダイビングでもバディを見失うときがあるが、とにかくパニックにならないことが何より。「ここは空気はあるのだからそれよりずっとましだ」と自分に言い聞かせるが、怖いことは怖い。

幸い、ここで携帯が通じた。

30分もなかったはずだが、一人迎えに戻ってきてくれて僕の名を呼ぶ声が聞こえたときは、心底ほっとした。暑さとパンクと水の残りとで、生命の危機を感じないわけにはいかなかった。

精神的にもまいってしまい、疲労が加速。皆が待っている場所まで10分もしないくらい、すぐそこだった。合流してへろへろ走る。水が底を尽き、人から分けてもらう。それでもこの蒸し暑さ、誰もが水の消費量は予想以上。

最後、両足の膝の辺りの筋肉がこむら返りような激しい痛み。SMSを送って、運転手に道があるところまで来てもらう。その際「近くで水とコーラを買ってきてくれ」とも。

なんとか無事生還。疲労困憊。

教訓。体力ないのだから、列の中頃に入ること。水は余裕を持って臨むこと。ふう。

でも、また行こう。懲りずに。