旅にある日々

異国での生活と、日々の旅。バンコクに9年、ニューデリー3年。今は、12年ぶりに日本。

ミラクルフルーツ

実家に寄っていた妻が持ち帰ってきた。「家の屋上で育ててる中にミラクルフルーツがあるって話したことあるやろ。実がなってたからって、父親がくれた」

奇跡の果物。タイ語でも、ポンラマイ・マハッサチャン。

これを食べてから酸味を口にすると、甘味に転じると言う。

半信半疑。

この実そのものの可食部は極めて少ない。ほとんど皮と種という感じ。だが、これをかじってからマナオ(ライム)を口にしぼると……。

!!!!

酸味に顔をしかめるはずが、まるで蜂蜜のような濃厚な甘味に転じる。これはすごい。ミラクルだ。

マナオのみならず、赤ワインも濃いブドウジュースに。漬けすぎた糠漬けも、笑っちゃうくらい甘い。ビールは甘くて苦くてまずくなる。

こちらで売っているイチゴは、粒こそ大きいものの、固くて酸っぱい。日本ほど品種改良されていない。が、ミラクルフルーツのあとでは、まるでおつかいものにするくらいの超高級いちごの甘味のレベルまで到達。

この不思議のもとになっている糖タンパク質、ミラクリンの名付け親は日本の研究者。