さて、食事へ繰り出そう。
一ヶ月ほど前にも来たけれど、妹リクエストによりまた北京ダックに取り組む。
しかし、いつもの賑わいはどこへやら。僕らの他に客は一組だけ。
妻が言う。「齋が始まったからね」
なるほど。齋(ジェー)、菜食祭りの期間に入ったから、中華系の人の多くはわざわざこの時期に北京ダックを食べに来ないのだ。
前菜盛り合わせの内容が希望と少し一致しないので「ピータンと酔っぱらい鶏とクラゲを少しずつ盛って」とリクエスト。これに限らないのだが、オーダーメイドで食事を楽しむというのは、僕は妻から大いに学ぶところがある。日本だと「メニューにないならしょうがないよね」と思ってしまうところだ。あくまで自分が食べたいものを食べる。
付け加えるなら、妻は料理に文句をつけることがある。「以前よりずいぶんしょっぱい」「こんな味じゃないはずだ」「新鮮な素材じゃないでしょ」etc。
一方で、良かったときには必ず店員に一言「美味しかったです」と伝えることを忘れない。二人で食事していて「これ美味しいね」と妻に伝えると「同じことを店員にも言ってあげなさい」と教えられる。
メニューを眺めていた妹が「これも是非!」と。佛跳牆。いわゆる、坊さんも寺の塀を飛び越えてくるほどの美味なスープ。いや、確かに凄かった。