旅にある日々

異国での生活と、日々の旅。バンコクに9年、ニューデリー3年。今は、12年ぶりに日本。

鷺梁津水産市場

ホテルにて、当地在住の友達と再会。と行っても、2ヶ月ほど前に名古屋で会ったのが最初で、今日が二度目なのだが。某航空会社の客室乗務員。毎日のように日本便に搭乗していて今日も往復してきたところとか。仕事帰りでお疲れのところなのに、今日はこれから案内してくれるという。ありがたい。

妻は肉食人間だが、僕は魚派。仮にこの世からステーキやソーセージが消えても別段苦にならない(妻はたぶん生きていけない)。海のものさえあれば僕は幸せ。ということで、魚市場へ連れて行ってもらう。鷺梁津水産市場。(しかしよく考えたら、妻がいなくては僕も生きていけないので、ステーキやソーセージも願わくばこの世にあり続けてもらいたい)

太刀魚。

鮟鱇。

平目。韓国ではよく食べられるそうだ。我々も食べねば。

そして、エイ。

一軒で平目とタコを買う。値段交渉も彼女にお任せ。

平目なんて、店の親父が水槽からがばっと手づかみで捕まえていた。その店の人のお薦めの店へ連れて行ってもらい、そこで食事。市場の中にあるどこかかと思ったら、ずいぶん裏手の、こりゃ、案内する人がなけりゃ絶対来ないなという店へ。これも韓国語が堪能な友人のおかげ。

平目の刺身は、先ほど捌いたばかりなので、白身魚の味わいをというよりもこりこり食感を楽しむ感じ。

こうやって、コチュジャンやニンニクと共にエゴマの葉にくるむのが韓国流だそうだ。しかも、葉の裏側に乗せる。

「どうしてだと思います?」と、友人。
「さあ、日本人の感覚やったら、表側に乗せるけどね」
「その方が舌触りがいいからなんです」

なるほど! 確かにエゴマの葉、裏側には産毛が生えて少しざらざらしている。

そして、タコ刺身。ぶつ切りした上に、塩とごま油。まだまだぷにゅんぷにゅん皿の上で踊っている。口に入れると吸盤に吸いつかれる。この上なく美味しくて、しかも楽しい。

マッコルリの瓶が次々と空いていく。まあしかし、彼女も飲む、飲む。

「明日も仕事ちゃうの?」「xxx往復なので、フライトも短いし全然だいじょうぶです!」

メウンタン(魚のアラの辛鍋)は、見た目ほどに辛くはない。

まだ日が暮れる前だというのに、いい具合に飲んで食った。

……だが、これはまだ序章。