ホテルのレストランで夕食をと思ったが、インド料理のブッフェしかない。ここに来てそれではあまりに悲しいので、雨の中、二人で一つの傘をさして、外出。真っ暗な道をてくてく上る。
インド料理ではあるのだが、鱒がメニューの黒板にあるのが、とても気になっていた。魚介類に乏しいデリー生活では、海のものだろうが川のものだろうが、大変に貴重な体験なのだ。
妻が頼んだチキンも良い。味付けが攻撃的でなくて、しっとりと美味しい。
また、雨の道を滑らないように、牛の糞を踏まないようにホテルまで。
来るとき、妻にすれば「なんで雨の中また歩くのよ、インドブッフェでもええやんか」であり、僕にしてみれば「なんでここまで来てそんなもん食わなあかんねん。せっかくの旅行やねんから美味いもん探すのに、雨も歩くも関係あるかい」という感じで、(いつものことながら)ちょっとぎくしゃくしていたのだが、美味しいご飯を食べて満足して、いつも通り冗談を言い合いつつ、(主に僕の左半身が)濡れながらホテルまで帰った。