バーへ。雰囲気は悪くない。特にコンゴからケーララを経てやってきた15トンを越えるという一枚板のカウンター。重厚な赤が夜に映える。
で、オリジナルの「レッカー(アフリカの言葉で「美味」)」というカクテルを頼んでみる。(「ヘンドリックス ジンをベースに、ドライフルーツを添え、バーカウンターの材料と同じスモークウッドでスモークしたマティーニグラスに注いだカクテル。」と、説明にあった)
妻もキーウィを使った何かショートのカクテルを一杯。
乾杯して一口。二人とも顔を見合わせる。
久しぶりに「あちゃぁ」というカクテルに出会った。素材の味が全然混じり合っていなくて、1+1が3になるどころか、0.7くらいになってしまっている。
早々にお勘定して、部屋に戻る。
有名な「ウェスティン・ヘブンリー・ベッド」に身を横たえて、ゆっくり、じっくりと眠ろう。
以下、蛇足。
天国にいるような心持ちになれる寝心地のベッドとの評判に、いったいどのようなものなのだろうかと期待していたのだが、結局、個人的にはあまりどうということはなかった。センベイ布団に慣れている日本人だからだろうか。
翌朝「ヘブンリー言われても、ベッドは別にピンと来んかったな。せやけど、僕にとっては、まぎれもなくヘブンにいる気がする。だって、天使が僕の横にいるのだから」と妻に言ってみた。
そしたら、「ほうほう、ほな、その天国とやらからつき落としたろか」と蹴落とされた。