旅にある日々

異国での生活と、日々の旅。バンコクに9年、ニューデリー3年。今は、12年ぶりに日本。

こだわりもん一家

空港近くのホテルに入る。

先だっての日本到着時、成田空港から送った空のスーツケース2個の他、通販で買ったものなどがずらり。事前にホテルには連絡済みで「部屋に入れておいてください」と依頼しておいたもの。にしても、その物量に我ながら驚いた。

飛行機への預け荷物は、二人で、スーツケース6つ、192kgまで許容されるので、幸いそこは実質的な制限にならない。持っているスーツケースの数と、えいこら二人で運べる重さというのが実際の限界になる。さすがにもう慣れたもので、自分たちのスーツケースに入れられて、持ち運べる量というのは感覚的につかんでいる。通販でぽんぽんと注文をかけながらも、自然と全体でいい重さになる。なんとか持っていけるのは、二人で100kg。

と、加熱済みの真空パックのあさりの注文は、僕の勘違いだった。5袋と思っていたら、5箱届いていて、全部で7.5kg。当分、あさりのお味噌汁や、スパゲティ・ボンゴレには不自由しなさそうだ。

さて、旅行最終日。都心まで出るのは遠いので、成田で海鮮のよさそうな居酒屋を探す。日曜夜(夏の連休最終日)だが、思いついて東京の友達に連絡したら、ひょこひょこと出てくることとなった。

そいつの、めでたいプライベートの話を根掘り葉掘り聞いて、魚に並ぶ肴にしながら、最後の日本をかみしめる。






わざわざここまで来てくれたのだからと、その友人にアメリカのビールを渡すつもりが、見事にホテルに忘れてきた。

「取りに来たらあげるけど」と言うと、思考能力が大幅に低下した彼は、ひょこひょこ着いてきた。お盆も終わり、明日から仕事のはずなのだが、もともと正常な判断能力が高い方の人間ではない上に酒が入っていたのだ。

しかし、僕も甘かった。荷造り途上のホテルの部屋で、持ち帰るべく用意していた、焼酎のパウチのパックを机の上に置きっぱなしにしていたら、一言の断りもなく、そいつに開封され、部屋に備え付けのグラスに注いで飲まれてしまった。

明日からは、ものすごい貴重品だと言うのに。

16時間の時差を10時間ほどのフライトで飛んで来たが、時差ボケもあるのかないのか分からないまま、賑やかに日本最終夜は更けていく。

勝手に飲まれた腹いせに、今宵の肴のプライベートな話を、関連の友人連とやっているメーリングリストに流してみた。いや、彼を応援していればこその行動であるのだ。

学生時代の友人というのは、こういうフェイズで遊べるのが楽しい(ま、本人にしてみればたまったもんじゃなかろうが♪)