幸いなことに、大学のサークルの後輩が、家族で少し前からこの街で暮らしている。彼は、理科系で博士号を取って、そのまま法科大学院に入って、以来、弁護士として働いている。しかも奥様は同じ大学の医学部出で、お医者さん。いやはや。どんだけ勉強が好きな一家やねんと、やっかみがてらつっこみを入れたくなる。
そう言えば、学生時代の彼もバックパッカーだった。ある年の長期休み明け、大学で姿を見ないなと思っていたら、インドで腸チフスに感染し、そのまま埼玉かどこかの施設に隔離されていたことがあった。
前々から僕もデリーへ行くということは伝えてあったのだが、なかなか予定が決まらず、しかも最後の最後にビザの発給に時間がかかった。
「ついに来たでー」と食事を。ニューフレンズコロニーのマーケット内、イタリア料理屋へ。
しかし学生時代、うちの下宿で深夜までビールを飲んで鍋をつついていたときと何ら変わることなく、ヤツはヤツである。声がでかくて陽気でがさつで、あくまでポジティブ。2歳になる可愛い娘さんがいるのが、当時とは違うくらいで、本人には特段の成長は見られない(まあ、向こうも同じような感想をこちらに抱いているだろうことは想像に難くないのであるが)。