旅にある日々

異国での生活と、日々の旅。バンコクに9年、ニューデリー3年。今は、12年ぶりに日本。

セントレジス・バンコク

朝、8時半の少し前に目覚める。妻ももぞもぞ起きようとしているので、これはイカンと思い「せっかくの休みやから、もうちょいごろごろしてよう」ととどめる。

そして部屋のチャイムが鳴る。「なんやろな、こんな朝から。ちょっと見て来るわ」と、後ろ手で寝室のドアを閉め、玄関へ。

ホテルの執事他スタッフが、ルームサービスを運び込む。予定通り。

昨夜のグラスやお皿をそっと片付けてもらい。

ケーキとコーヒーをテーブルに。

小声で「ありがとうございます」と伝え、一緒に届いたバラの花束を持って寝室へ戻る。

「誕生日、おめでとう」と。目が悪い妻が何やら赤いものが眼前に示されているのを見て、メガネをかけ、そして驚く。

「そろそろ起きよう」と、リビングへ連れていくと、今度はテーブルの上に山と盛られたプチフール。誕生日祝いのメッセージがチョコレートで書かれている。

それが何を意味しているか分かった瞬間、寝起きの表情の中に、驚きと喜びと、やられたという感情が混ざる。



ちょっと節目の年だし、何より相当の苦労をしているインド生活なので、それに少しでも報いるためにも、妻への今年の誕生日プレゼント。びっくりもこめて、プレゼント。

個人的にこういうサプライズを考えるのが、好きなのだ。そしてこういうことをされるのが、うちの妻も好きなのだ。お互いの趣味の一致。

しかし、このプチフール、年齢の個数に合わせるように事前に各種ごとに個数を決めて連絡を入れていたのだが、ちと多かった。何だろう。おまけか、レイアウトの都合か。せっかくなのだからピシっと合わせて欲しかった。