旅にある日々

異国での生活と、日々の旅。バンコクに9年、ニューデリー3年。今は、12年ぶりに日本。

家探し

できれば引っ越しは避けたい。

引っ越し自体は好きだが、インドの家だと、また色々とトラブルがあって、(主に妻が)せっかくこれまで地道につぶしてきたものがまたリセットされるかと思うと、相当気が重くなる。

だが、必要に迫られて新しい家を見に行く。

とてつもなく広いリビングには、なんだか人が寝ている。僕らがいても、関知することなく。全部で240平米あるらしいが、二人暮らしにそんなにいらない。今の家も200平米あるが、思いっきり持てあましているのだ。下宿人を置けるだろう。広さより機能性と快適性と何より安心が欲しい。望んでも得られないが。

この一軒は台所の設備がよかった。

広いし、ガスコンロは5口あるし。

電子レンジとオーブンがあって。

食洗機も備えつけ。

だけどこれらが適切に長期間ちゃんと稼働するかどうかは、まったく別の話。ある意味、絵に描いた餅というところがあるのがインドである。家に限らないが。見た目と、実際の利用との間にはたぶん、地球と冥王星くらいとの開きがあるのだ。

にしても、2年前と比較すると、ずいぶん物件のレベルが上がっているように感じられた。デザインしかり、設備しかり。まあ、それはそれとして、実際にちゃんとした暮らしを行うには、相当量の努力と涙が必要なことには変わりないだろうことは、自信を持って言える。

家庭内話し合いの末、結局引っ越しはしないことにした。