知り合いとホテルで待ち合わせ。
知り合いと言っても直接のではなく、妹が以前ノルウェイの研究所で働いていたときの同僚がウィーン大学に戻っているということで紹介してもらった。
「国籍的にはイタリア人やねんけど、出身は南チロル地方なので、心根的にはオーストリア」と。
彼女も食べることが好きらしく、連れて行ってもらった「めちゃ地元料理」のレストランの席は10人分予約されていた。半分は研究者つながりでもう半分はオーストリアでyelpをしている人たち。
豚の脳味噌と卵の炒め物、と、ジャガイモ。一皿が大きすぎて、とてもではないが、半分食べるのが精一杯。
妻は茹で牛のサラダ。カボチャオイルがけ。これも、量が膨大で、僕が途中でつまんでも、食べきれず。
そしてデザート。「ちょっと特別なのを注文してるから時間かかる」と言われていて、出てきたのがこれ。なんの山だ、これは。ザルツブルガー・ノッケールというもので、アルプスの雪山に見立てているらしい。巨大な山である。
中身はラズベリーソース?の入ったメレンゲを焼いたもの。食べれども食べれども減らない。
さらに食後に「消化を助ける」というリキュール。既に味がなんだったかは記憶にない。
ちまちまっと食べながら、あるいは複数種類の大皿を共につつきながら、そして飲みながらではなく、食らうのは食らう、飲むのは飲む、と文化の違いを見せつけられた夕食であった。時折、シェアしている人たちもあったが、どうもある程度羞恥しながら、という感じがあった。基本、どかっと一皿を一人で食べ、飲むのはまたそれはそれという感覚なのではないか。
東・東南アジアの夫婦としては物足りない「せっかくなのでもっと色々食べたかった。一種類で満腹は、物足りない」と思いつつも、それはそれで、異文化体験であった。
そして、世界は狭いということを再確認。なんとyelpの中心人物は、「タイに留学してたことがある」と。話を進めると、僕がタイ語を学んでいたチュラロンコーン大学の経済学部に交換留学していた、と。しかも住んでいたアパートは、妻の通っていたカレッジと同じ通り(ソイ)にあり、「ああ、あそこね」と話がとてもローカルでつながった。
後日yelpのサイトでこのレストランを見てみたら、僕がカメラを構えている写真がアップされていて、ちょっとびっくりした。まあ、言うたら、その逆を僕はここでやってるわけなので、驚くには値しないか。